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法務省による離婚後の共同親権の提案について

執筆者の写真: 鵜木行政書士事務所鵜木行政書士事務所

こんにちは




今日の秋田市は6日まで開催されていた竿灯まつりの後片づけモードなのか、街がのんびりしております。

それはそうと秋田市の一週間天気予報見ました?

今日は朝から曇天なんですが、今日からちょうどお盆休み明けまで雨予報です。

のんびり巣ごもりお盆になりそうですね。





ということで、今日は少しのんびりと雑談をしてから本題に入りましょう。

最近、書類作成業務をしていると頭が疲れるのか甘いものが無性に食べたくなって近くのコンビニに直行するのですが、そんな時に見つけたのがこれ!














塩気の効いたプレッツェルにチョコレートをコーティングしていて、食べるとザクザクッとした食感がクセになる美味しさです。

たぶん目新しいお菓子でもなんでもないと思うのですが、あまりに美味しかったので紹介してみました。

ただ単にお腹が空いていて美味しく感じただけだったらごめんなさい(笑)




年甲斐もなくお菓子の紹介なんてしましたが、お菓子もそんなに馬鹿にできないんですよ。

大企業などでは社員同士のコミュニケーションの活性化だったり、コンビニまで買いに出かける時間の節約や休憩による生産性の向上といった目的で大手菓子メーカーなどが提供する“置き菓子サービス”を導入しているところも多いようですからね。



上手に休憩をしてリフレッシュしましょう。














ゆるい雑談が終わったところで本題に入ります。

今日は、法務省が今年6月に導入の提案をした「共同親権」について触れてみたいと思います。





日本では、離婚後、父母のいずれかが親権者となる単独親権をとっておりますが、共同親権が導入されれば、父母が離婚したとしても親権は婚姻中と同様に2人が共同で持つことになります。





今、この共同親権導入をめぐり、『離婚したとしても親であることに変わりないのだから親権は奪われるべきではない』という賛成派と『破綻が原因で離婚したのだから共同親権にしたところでうまく子育てができるわけない』という反対派とで意見が割れているようです。





それでは、まず “親権とは何か?” というところから見ていきましょう。





『親権』とは、子どもにまつわる重要な意思決定をしたり、子どもにとって重要な行為を代理したりする財産管理権と子どもと一緒に暮らし養育する身上監護権のことを指します。



身上監護権は想像できると思いますが、財産管理権は呼び方のせいもありイメージしにくいと思います。

財産管理権 = 子どものことを決める権利 と置き換えるといいと思います。

分かりやすいところで言えば、携帯電話の契約です。

財産管理権のある親権者が子どもを代理して契約することになります。

また、子どもが入院した時などに治療方針を決めたり、受験の際に進学先を決めることも財産管理権を持つ親の同意が必要になる行為です。



離婚の際には、この財産管理権と身上監護権を分けることもできるのですが、今は話がややこしくなるのでこの2つをまとめて親権と呼び、子どもと一緒に暮らし、子どものことを決める権利だというところで止めておきましょう。

そして、この2つの権利を離婚後も父母双方が持つことを共同親権と呼びます。





それでは、具体的に共同親権のメリット・デメリットを見ていきましょう。





共同親権のメリット



①養育費の支払いがスムーズになる


単独親権の場合、別居親が子どもに関わることができるのは、月に1回程度認められている面会くらいになります。

そのため子育てをしているという気持ちが薄れてしまい、養育費の支払いが滞ってしまう傾向があります。

しかし、共同親権であれば子どもと接する機会が増えるので、子育てへの責任感が生まれ養育費の支払いが滞りにくくなると言われております。



②子育ての負担が減る


単独親権の場合、離婚後の子育ては同居親が全てを一手に担うことになるので、その負担は相当なものになります。

共同親権であれば父母双方が協力して子育てを行うので分担することができ、負担が軽減されます。



③親権争いを回避できる


現在の法制度では、離婚の際にどちらか一方を親権者として指定しなければいけません。

話合いで決まらない場合は調停・訴訟で決めることになります。

共同親権制になれば親権者の指定が不要になるのでこのような争いを回避することができるとされています。



④面会交流がスムーズに行われる


単独親権の場合、子どもが別居親と面会をするには同居親の同意が必要なケースが多く、面会が実現されない場合が多々あります。

共同親権が導入されれば、同居親が面会を拒むことができなくなるため面会交流がスムーズに行われることになります。





共同親権のデメリット



①子どもに精神的な負担がかかる


共同親権になったとしても子どもと面会をする場合、両親が揃ってではなく、父・母それぞれと別々に会わなければならないことがほとんどでしょう。

面会場所も父母双方の自宅を行ったり来たりと子どもが面会交流に費やさなければならない時間・労力が増えることになります。

その分、子どもは友達と遊ぶ時間や習い事の時間を削らなければいけなくなったり、生活リズムを崩したりと精神的・肉体的に支障をきたす心配があります。



②子育て・教育方針を巡り争いが増える


単独親権制のもとでは子育て・教育方針などを決めるのは親権を持つ親だけでできたのに対し、共同親権制をとった場合、父母双方がその決定権を持つことになります。

そのため子供が病気をした際の治療方針や習い事、受験の進学先など決める場合、離婚したにもかかわらず逐一協議のうえ決めることになり、争いになることが懸念されます。



③引っ越しをすることが難しくなる


共同親権制をとることによって、基本的には別居親からの面会交流を拒むことができなくなります。

離婚後、他県などに引っ越しをしてしまうと別居親と子どもの面会の機会を維持することが大変になります。

そのため引っ越しをすることが困難になる可能性があります。



④DVやモラハラから逃れられない


DVやモラハラが原因で離婚した場合、単独親権制のもとであれば別居親に面会交流権があったとしても正当な理由が認められ面会を拒否することが可能です。

しかし、共同親権であれば別居親もまた親権者なので面会を拒否することができず、DVやモラハラから逃れることが難しくなる恐れがあります。





以上がメリット・デメリットです。

どうでしょうか。

共同親権がいいのか、単独親権がいいのか、非常に判断の難しいところではないでしょうか。





今回の共同親権導入の提案の背景には、養育費の不払いの解消と海外ではほとんどの国が共同親権制をとっているということがあるようです。

養育費の不払いに関しては、平成28年度の調査で母子家庭のわずか24パーセントしか養育費を受け取っていないというデータがあることからも非常に深刻な問題であると言えます。

ただし、共同親権にすることによって養育費の不払いが解消するというものでもありません。



こちらは共同親権と単独親権をとっている国の比較図になります。



これを見ると、明らかに共同親権制をとっている国が多いことが分かります。



ただし、アメリカ、イギリス、オーストラリア、カナダなど共同親権制をとっている国でもDV被害などを考慮し、子どもとの面会を制限するなどの法改正の動きが見受けられます。






このように一概にどちらがいいと言えるものではないということがお分かりいただけたのではないでしょうか?





離婚を業務として扱っている当事務所としては、養育費の不払いを解消したいということであれば、離婚公正証書の作成が現状の法制度の中では一番確実なのではないかと思います。

養育費に関しては、親権があるから払う、親権がないから払わないという理屈は通じないですからね。

また共同親権の導入の是非に関しては、まずDV被害や離婚後のつきまとい・ストーカー行為の防止対策を徹底させたうえで判断するべきものではないかと思います。





今現在、法務省の法制審議会では共同親権か単独親権を選べる案と、単独親権を維持する案で話し合いが進められているようです。

8月末にも中間案をまとめたうえ、その後国民の意見を募るようです。




ということで今日は、共同親権・単独親権について書いてみました。

それでは、また。


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